帰国してから3年かけて、ちょこちょこと四国八十八か所を巡礼をしていました。大変気に入っております。
お遍路していると言うと、「すごいね」とか言われることがあるのですが、私の場合は、実は、そこまで凄いことをしていた意識はなく、各地を知るための観光の一環としてお遍路ドライブをしてきた、と言う方がしっくりきます。
と言うわけで、旅するノリでお遍路した私が、ハードル低めなお遍路のやり方についてまとめてみます。
Contents
四国八十八か所巡礼まとめ
行き先
四国八十八か所霊場ぜんぶ!
1番から88番まで順番に回る場合は、徳島県→香川県→愛媛県→高知県と、地図を左回りに1周する事になります。
持っていくもの
気持ち次第なので、基本的には何も要りませんが、最低限、お賽銭は用意した方が良いかと思います。(お寺や道路を維持、管理してくださる地元の方々への気持ちとしても)
私は、納経帳と納経軸が欲しかったので、一番札所にて(逆打ちの際は八十八番札所にて)、納経帳(御朱印帳)と納経軸を購入しました。


お遍路の装備

よくイメージにあるお遍路さんの格好、これも札所の売店で買い揃えることができます。が、私は全く普通の洋服で回っていました。
(強いて言えば、札所で購入した納経帳の入る小さなトートバッグを持って回りました。)

お遍路の作法
もちろん正式なお作法はありますが、時間や天候、巡礼者の人数(団体客)の関係で、随所ではきちんとそれができない場合もありました。
また、最初はお経を読むのが恥ずかしくて端折ったりしたのですが、写経を収めるという方法を使ったり、iPhoneのお経アプリと一緒にお経を唱えてみたりとしているうちに、だんだんと抵抗無くなってます。
交通手段

各札所の納経所は、午前7時〜午後5時まで。御朱印を頂くならば、この時間内に納経所へ行く様にします。
私の経験ですが、納経所は、1分でも時間を過ぎると閉められてしまうところもあり、また、だいたいギリギリなら時間を過ぎていても受け入れてくれるところもありました。時間には余裕を持って回ることをお勧めします。
歩き遍路、自転車遍路、車遍路、公共交通機関を利用した遍路、他にも、お遍路ツアーのバスで回る方法などもあり、必ずしも歩いて回ると言う決まりはありません。
また、札所は概ね順番通りに位置しているのですが、ドライブ効率を考えると順番が前後することも。前後してはいけないと言う決まりはありませんので自由です。
お参りの手順(かなりハードル低めな解説)
1:山門の門前で合掌、一礼
2:手水舎で手と口を清める
3:本堂をお参り
4:大師堂をお参り
5:納経所で黒書と御朱印をいただく
6:山門を出て合掌、一礼
「納経所はお参りの後」というのは常識ですが、それを守らないとお寺の方や熟練巡礼者さんに突っ込まれることありますので、天候や時間の都合のない限りは順序を守ることをお勧めします。
▼正しいお参りの作法はこちらに解説されています!
お遍路に要する期間
車で回るお遍路は、お参りに使う時間やカーナビの性能にもよるのですが、平均して1日に5〜6箇所だと思います。(お経を読んだりしないなら8〜9箇所いけるかもしれない)
駐車場から便のいい場所にある札所もあれば、本堂までの階段がやたら長い札所、ロープウェーを使って行く札所(歩く道もあるはずですけど)など、札所によっても滞在時間は前後します。
私は、通しで回らず、時々に日帰りで行っていたので、3年という期間を要したのですが、宿泊しながら通しで行えば、車だったら2週間くらいで回れそうな感じがします。
(各所に宿坊があるので、安くステイしながら回ることも可能です。)
歩き遍路の場合、足の速い人で約45日、遅い人で約60日だそうです。聞くところによると、靴が2〜3足ボロボロになるのだとか。それだけの達成感や学びは格段に大きいと想像できます。興味深い。
お遍路用語
札所(ふだしょ)
お寺のこと。八十八ヶ所それぞれ「〇〇番札所」という風になっています。
納経所(のうきょうじょ)
お参りを終えた後に黒書や御朱印をいただく、お寺の事務所のような場所です。
納経帳(のうきょうちょう)
御朱印帳の別の言い回し。
納経軸(のうきょうじく)
御朱印をいただく掛け軸。お遍路軸とも言う。
同行二人(どうぎょうににん)
常にお大師様(空海・弘法大師)と共に居るという意味で、お大師様の守りが常にあるということでお遍路用品に書かれている言葉。
御影(おみえ)・お姿(おすがた)
黒書や御朱印と一緒に頂くことのできる、仏画の入ったお札。各所でいただけます。
結願(けちがん)
八十八ヶ所を全て回り終えること。
他にもいっぱいありますが、差し当たってすぐに使う用語を抜粋してみました。
四国八十八ヶ所を終えたら

結願したら、和歌山県の高野山へ行き、全てが道程が完了となります。

カヨン的 “ゆる”お遍路 ナビ
私のお遍路ルート
八十八ヶ所の順打ち→高野山
というルートです。
四国は全て車で周りました。高松を拠点に回ったので、ほとんど日帰りで行って来たのですが、高知県の足摺岬のあたりは高松拠点から見たら一番遠かったので、ホテルに一泊。
高野山へは電車とバスで行き一泊して観光しました。
目的は何だったのか?
何を求めるかではなく、いかに楽しむかが重要だと思います!
目的を修行として、歩き遍路をされる方もいますし、ツーリングを楽しみながら回っている方もいますし、私みたいに、目的なく、なんとなくドライブのゆるいオヘンラーなど色々なスタイルがあるのです。
(※オヘンラーとは私の造語であり、巡礼者のことを意味します)
私の場合、色々がゆるすぎて、某札所のご住職に「もっとちゃんとお経を読んで行きなさい」と言われたのですが(恥)
大自然豊かな四国の山々を巡りながら、四季の移ろいを眺めたり、思いがけない出会いや会話、肌で感じる歴史などを主に楽しんでおり、楽しませていただいたお礼として参拝しているという感覚です。
目的を見つけるために回ろう!と最初は思ったりしたのですが、その執着は何故か今はありません。何も求めなくても楽しいので。
お遍路で私に起きた変化
ズバリ、欲が増えました!(爆)
大自然豊かな各地を、何も考えずに回っていた私は、毎回、旬を逃していたんです。例えば、春なのに桜が散った後とか、秋なのに紅葉が終わった後とか。残念な。
せっかくならその自然が真っ盛りな時に行きい!また行きたい!絶対行きたい!
・・・と貪欲になってます。苦笑。
(良い方に言い換えれば大自然の恩恵がより身近になったという?)
お遍路でびっくりしたこと
外国人がガチで巡礼していること!です。
装備バッチリな上、大きなバックパックを背負っての歩き遍路。そして厳格なお作法遵守でお経もしっかり唱えて参拝。
すごいとしか言えない、本当に頭が上がらないオヘンラーYOU(外国人巡礼者)と、割と毎回出会いました。
カップルで来ている人もいたので、会話に耳を傾けるとフランス語。
(私はフランス語だと認識できるだけで内容はわかりませんがw)
そして私は住職に突っ込まれる・・・
「アイアムヒアー!あんたちゃんとお経読んだか?海外のモンは、日本人よりよっぽど詳しいしちゃんとお参りしていくわ!ひらがな読めばいいだけやけん!」
(てか、私、怒られたの?)
(それにしても「アイアムヒアー!」てw)
海外、特にフランスは、日本の仏事に関する詳しい資料が多いとのことです。次に回るときは、オヘンラーYOUからも色々お話聞いてみたいなぁと思います。
おわりに
「ゆるい」とか「ハードル低め」と書きましたが、私は「初心者」そのものです。
始めた一番最初に私が把握していたことは
『お遍路といったら、空海ゆかりの四国の八十八ヶ所で御朱印集めながら回るやつ』
たったこれだけでした。
回っているうちに、人に聞いたり、学んだりしたことは多くありますが、まだまだ真髄には到達していません。
形式から構えようとしてしまうと、どうしてもハードル高く感じてしまいますが、なんとなく行ってみると言うのは全然ありだと思うので、思いついたら出かけてみてください♪
そんな私は現在2周目を行なっており
八十八ヶ所の逆打ち+別格二十霊場*(合計108ヶ所) → 京都東寺 → 高野山
という足取りを辿っております。
*四国別格二十霊場
別格二十霊場は、八十八ヶ所に比べて随分と深い山の奥にあるものが多いです。
時間の計算が難しいので、十分な余裕が必要です。
みんなの祈りが届きます様に・・・



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